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ねとげ日記(うそくさい)
Posted by Lita - 2006.06.29,Thu
FF11ベースの創作小説です。

エレン…ヒューム♀
フィーゴ…ミスラ
ネイ…ミスラ

・視点がコロッコロ変わります(ぉぃ
・後半は、ミスラの生態マイ設定が出てきます、創作ですので信じないで下さいw
・たいとるはかんがえてません(死
・4700字ぐらい、多少ながめ…
宜しければお付き合い下さい
→→→→



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「もう今回ばかりは本当に許せない!」

飾り気の無い木製のテーブルをダンと叩いて、琥珀色の髪が揺れた。
驚いて振り返るのは、ウィンダスに隠居を決め込んだ元冒険者のミスラである。
薬缶がピィと鳴くのを横目で見送り、火を止めると、戸棚に隠しこんでいたワインを取り出す。

(カモミールティでは役不足か)

「ままま…」

二人分用意したグラスの一つを彼女に…
冒険者であった時代に、よく行動を共にしていたヒュームの赤魔道士エレンに渡した。

「フィーゴ、お酒はやめたんじゃないの?」
グラスを受け取ろうとした指が止まり、怒りの表情が急速に落ち込んでいった。
冒険者を辞めたとき、フィーゴが酒断ちをしたのをエレンは知っていたので、不安になったのだ。
本人は、ダイエットだと言っていたが…。

「なに。休日をなくすことなどお天道様にさえできないさ。
それに今日は、珍しくエレンに会えたしね。」
休日と祝日が一緒になったようなもんだとフィーゴは笑う。
エレンの表情はみるみる内に柔らかなものに変わって、「変わらないね」と呟いた。
休日をなくす事など出来ないというのは、フィーゴの冒険者時代の決まり文句なようなもので、大抵は羽目をはずす時に使われていた。
冒険者時代のフィーゴは、日々ストイックさを要求される忍者であったが、こういう事を言うときはいつも遊び半分で色々な所に出掛けていたのだ。

「色々教えとくれ、エレン。私はもう、今の冒険者の事はよく分からないんだよ。」
「覚悟してよ。いっぱい言いたいことがあるから」
「じゃ、休日と祝日と再開に」
二つのワイングラスが交互に持ち上がり、カーンと綺麗な音を立てた。


・・・・

「私だって戦えるし、どうしたら良くなるかいつも考えてる」
とか
「こっちの言い分なんてまるで聞きはしないで、勝手にピンチになって」
とか
「誰がリンクした敵を寝かせてると思ってるのよ」
とか
「ほんとうにあいつはわかってない」
とか
「まるで戦力外みたいに子供のように扱うくせに、尻拭いさせる気持ちがほんっと分からないわ」
あまつさえ
「私はあいつのお手伝いさんじゃないのよ」

ワインボトルが半分に差し掛かるあたりから、エレンは次々と当初の目的を果たしていた。
話を大体まとめるとこうだ。

昔フィーゴ自身も居たリンクシェルがあった。そこにはエレンのほか、白魔道士や黒魔道士、戦士・シーフに忍者にナイト、色んなジョブの冒険者が集っていたが、エレンはフィーゴで無いほうのヒューム男性の忍者とそこそこ親しかった。
さまざまな種族が入り乱れる環境の中で、同種族・同郷の出ということもあるし意気投合する部分も多かったのだろう。
そうしてフィーゴは先に、そのリンクシェルを脱退し隠居の身に入ったが、エレンと忍者の仲はそのまま続いていたのだろう。
だが、ある何かしらの戦闘で、その忍者はエレンの忠告を無視して敵わない敵と、不可能な状況で戦いを挑んだ。
大リンクの中、エレンやパーティの黒魔道士は必死に敵を寝かし続け、なんとか1対1の環境を作り続けた。
そして、なんとか敵を倒す事が出来た。
もちろんパーティは大喜びだったが、賞賛されるのは敵を倒したという事実のみ。
無理だ、危ないと言った自分の意見は臆病風を吹かせた奴のように扱われたのだ。
「倒せるじゃないか」
この言葉に堪忍袋の尾が切れたらしい。

一気にまくしたてたエレンは、最後に”はぁ”とため息をついた。

こういう時、大体は自分の中で答えが出ているものなのだ。
今言ったことだって、「そうかもしれないけど」と、言ってる自分にも理解できる部分があるのだ。
それでも、言わなければいられない時だってある、それはよく分かる。
(あいつもバカだな。こうやってガス抜きさしてやればいいだけなのに)

「私、あいつとフィーゴを比べすぎなのかな」

一本目のワインボトルが空になるころ、ポツと言ったエレンの台詞。

「かもね」

そう返すと、エレンは笑った。
”変わらないなぁ”と、二回目の台詞を言って。

「そりゃあんた、ペーペー忍者とこの私を同じに見てくれちゃ困るわ」
「ぶっ …もう彼はペーペーじゃないわ。今じゃ押しもおされぬ、うちの忍者なんだから」

本音、だな。

フィーゴがニヤリと笑うと、エレンは紅潮した顔を隠すように頬杖をつく。

女同士というのはかくも不思議なものだ。
他人の悲しみを、喜びを、寂しさを、屈辱を、まるで自分の事のように理解する。
いや、理解というか同調だ。我が事のように、泣き、喜び、憎しみ、時には嫉妬する。
エレンと自分との種族の違いなど微塵も感じさせない。
多分、そう遠くない未来、エレンとあいつの間にナントカと呼ばれる感情が出来ているんだろう。
フィーゴはそんな未来を想像して、暖かい気持ちになり、その反面で、少し、嫉妬をした。

(この気持ちはなんだろうねぇ)
フィーゴは、そう、自分の感情を笑った。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ママぁ…」

フィーゴやエレンのいるキッチン兼リビングの奥、寝室から小さなミスラが出てきた。
フィーゴの娘、ネイだ。
「おしっこかい、ネイ」
「うん」
ネイは眠い目をこすり、フィーゴのそばにやってくる。
「このひと は だあれ?」
「ママの友達のエレンさ、さ、まずはトイレにいこう」
慣れた手つきでネイの手を引き、エレンに「ちょっとごめんよ」と一声かけてネイを連れていく。
なぜだか急にエレンはかしこまってしまい、「いってらっしゃい」と笑顔で見送る。

ほどなく戻ってきたフィーゴとネイ。喉が渇いたというネイに、「寝る前だから少しにしておくんだよ」と言ったフィーゴの顔は母親の顔だった。
まだまだ寝ぼけ半分な中、ネイは必死で珍しい客人と話そうとしている。
「えれん えれん」
「ネイ。エレンお姉さんと言いなさい」
「えれん おねえさん」
「なーに?ネイちゃん」
「だっこ」
そう言って手を伸ばしてくるネイはとても可愛く、ついエレンの顔がほころぶ。
あまり慣れてない手つきでだっこすると、自然と自分がネイの背もたれになるような形におさまった。
お日様とミルクの匂い、「ねぇねぇ」とこちらを見上げるネイは、大きな瞳と母譲りの銀髪を持っていて非常に可愛い。大きくなったらきっと美人になるだろう。
「ごめんよエレン。重かったら代わるから言っとくれ。」
フィーゴはそういったが、そんな心配は要らなかったようだ。
ものの五分と経たないうちにネイは船を漕ぎ始め、「根性の無い子だねぇ」と言うフィーゴの手によって寝室に運ばれていった。

「大きくなったわね、ネイちゃん
それにすっかりフィーゴはお母さんになって」
愛おしいものを見つめるような優しい表情で、エレンが寝室のほうを見やる。
「なに言ってんだい、エレンもすぐこうなるよ。」
「な、なに言っているのよ…私はまだ、全然…」
「そうでもないんじゃないの?」
なんて、フィーゴがからかい半分に言うものだから、ついそのまま言葉が続いてしまった。
「ふぃ、フィーゴこそ!いったいどんな人なのよ、旦那さんは!」

・・・

帰ってきたのは、沈黙だった

「れ、…あ、、私、ごめん…悪い事いった…よ、ね…?」

フィーゴは目を瞑り、新しいワインを注ぎ、「いや」と笑った。
「これは独り言さ」
突然そんな事を言うものだから、エレンはわけもわからず目をしばたく。
だが、これから多種族に殆んど知られない、ミスラの生態を聞かされるのだという事を理解した。

「旦那か…そんなのは、覚えてもいないんだよ
ミスラはもともとオスとメスでは圧倒的にメスが多い。それは他の種族も知る所だね。
産まれてくる子供も大抵はメスだし、より多くの子供を生まなければ私達ミスラは崩壊しちまう。
そんな状況じゃやっぱり、一夫多妻が常となるのさ」

未だ空を見上げながら言うフィーゴの言葉。
エレンには理解できないとは言えないが、なんだかやりきれない思いがこみ上げていた。

「だけどね、エレン。
我々ミスラの本性を知っているかい?」

突然そう質問されて、エレンは驚いた。少し考え、「獲物を狩る…かしら」と答えた。
フィーゴの目はもう空を捉えず、エレンに優しく笑いかけていた。
もう、独り言ではないとエレンは感じる。

「狩猟、半分正解さ。
でもね、獲物を追い求めるだけじゃなくて、万が一誰かの手に渡れば激しく嫉妬する…
その ”嫉妬”こそがミスラの本性なんだよ。恥ずかしい話さ。」

そこまで言ってフィーゴは、はじめて悲しそうな、悔しそうな、そんな表情を見せた。
エレンはどこかで聞いた話だと、記憶を辿った。
そうだ、トゥー・リアと呼ばれる天空の建造物の中で、確かそんな話を聞いたことがある。

「本性には逆らえないもんさ。
でも、一夫多妻を常とするミスラの世界で、嫉妬が本性の女ばかり居たらどうなると思う?」

「戦争になるわね」
今度は迷いなく、エレンがそう答えた。
恐らく、一人を手に入れるために、数え切れない女たちが戦い合うだろう。最後の一人になるまで。
断言しておきながら、自分の言葉に不安になりフィーゴを見上げると、その顔は次は嬉しそうになっていた。

「その通り。
だから子を産んだミスラは相手の顔を忘れる。
ミスラの助産婦以外には、絶対に出回らない秘伝の酒を使ってね。
そうしなければ、私達は自分の子供でさえ、恋敵と見なしてしまうからねぇ」

エレンはそのとき、ようやくフィーゴの酒断ちの真意を知った。

「まあ、もともと、身体能力が勝っているメスだから、旦那なんかはいなくても、一人で子供ぐらい育てられるもんさ」


元冒険者なら、資金もタップリあるしな、とフィーゴは笑った。

それに、私なんかはメスを産んだからいいほうだよ、一人じゃないし、とまた笑う。

どうせ思い出すか思い出さないかのうちに、寿命も切れちまうしな、とまた笑う。



そしてエレンは泣いていた。



それを見て、こういう涙もあったのだと、フィーゴは自分の頬に伝わるものを感じていた。

笑って
笑って
笑って
最後には泣いていた。
二人して泣いていた。


そのときようやくフィーゴは、エレンと”アイツ”の「ナントカ」の、感じた嫉妬の意味を知ったのだ。

「フィ… ッ …ゴ」
「ね、エレン。あんたの子供、産まれたら見せにきておくれよ
そのときはメイに魔法を教えてやってくれないか
あたしはね、メイには魔道士になってほしいんだ」
「っう…うん…うん。教えるよ、子供みせにくるよ…」
明らかに泣きじゃくっているのはエレンなのに、「いいこいいこ」とされてるフィーゴは、ただ静かに涙を落としていた。

「立場が逆になっちまったねぇ」
そんな事をいいつつも、フィーゴの心は穏やかだった。
この異種族の親友が、愛する人と楽しい家庭を築いていくことを何より願った。
ネイを一人前にするとき、自分の役割は終わり、寿命もその程度だろう。
しかし、自分無きあと、ネイと、エレンの子供が、今の自分とエレンのように互いに心通わす友達になっていることを想像すると、悲しさより嬉しさがこみ上げてくるのだ。

そしてそんな未来を祈った。
ああ、今日は
本当に、本当に、素晴しい休日と祝日と再開だったと、空のグラスを見つめながら…。


・・・・おしまい・・・・

あとがき

えー、テーマは女同士の友情と、ミスラの生態です(そのまま
どっちかというと後者がメインかも…
ミスラの本性についてはジラMアークガーディアン戦を経験された方なら知っているかもしれません
各AAの戦闘開始時に喋る台詞です。
(但し、ゲーム中では本性ではなく”心の闇”として扱われています。)

AATT(タルタル)
内なる「怯懦」が、
おまえたちを押しつぶす……

AAHM(ヒューム)
内なる「無知」が、
おまえたちをうつろにする……

AAGK(ガルカ)
内なる「憎悪」が、
おまえたちを焼きこがす……

AAHV(エルヴァーン)
内なる「驕慢」が、
おまえたちを腐らせる……

AAMR(ミスラ)
Ark Angel MR : 内なる「嫉妬」が、
おまえたちをかじりとる……

参考にさせていただきました
FF11の世界設定を語ろう

ではでは、へたっぴな文章でしたが、お付き合いありがとうございました。
感想などコメントからいただけるとワッショイします。
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Comments
無題
なぜか、ほろり、と涙が出ました。
なぜだろう。
ミスラの本性の切なさかな。
ほんとに切ないねー・・・。
「ナントカ」を手にできるリアルヒュムの
私達は幸せなのかもしれないねw
Posted by れいn - 2006.06.30,Fri 20:42:14 / Edit
無題
うおおお、ありがとう!(/ω\)
喫茶店でブツブツと内容を考えていた当初から、女性からの共感を得られるようなものを作りたい(ネトゲ世界じゃ比率は圧倒的少数だけど‥w)、と考えていたので、こうやって女性から感想もらえるとすごい嬉しいですw

「ナントカ」を持つことで、いっそ無いほうが良かったと苦悩もしますが、持つ事が不可能な人がいるのを見ると大事にしたいって思うね~。
Posted by Lita - 2006.07.01,Sat 12:41:41 / Edit
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