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ねとげ日記(うそくさい)
Posted by - 2024.04.19,Fri
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Posted by Lita - 2006.07.31,Mon
・マイジョブ「黒魔道士」をテーマに第二弾(つくったのはむかしだけど
黒魔道士と召還士の違いを主軸に、個人的に思っている黒魔術っつーものに対しての考え‥みーたいな


「May 6」

待ち合わせがバストゥークだったのは正解だったかもしれない。
少し早めに着きすぎていたので、商業区にある噴水広場で私は一息いれようと石垣の上に腰掛ける。
時刻はもう昼を大分すぎていたので、まだ食べていなかった朝食のついでに食事を取ることにした。
サーモンサンドとセルビナミルクを交互に口つけながら、往来をぼーっと眺める。
休日ということもあって、噴水広場は普段以上の人で溢れ、私のような冒険者の一団、自家製の武具を売る職人、行商人が魅力的な売り文句を投げかける声で賑わっていた。

「ねぇねぇ、そこのねーちゃん」
不意に呼ばれ、振り返ると、まだ10歳程度のガルカの子供がこちらを見ていた。
「何?」
「ねーちゃんさ、黒魔道士だろ?ちょっとでいいから魔法教えてくれないかなあ?」

・・・
・・(まいっか、どうせまだ時間までヒマだし)


「そう、それでもう少し上に」
「こう?」
「うん、それで視線は下げないで、前だけ見て。」
「わかった」
大体形になったころ、私は静かにその手へと魔力を送る。
まだ子供だ、あまり強い力を送ると溢れてしまう。微妙な調節は正直いって難しいが…。
「手が…重い」
伝わってきたのだろう、いまその子供の手には「土」の力が宿っているはずだ。
「私と一緒に、繰り返して。前を見たまま。
”幾億の時間を”」
「幾億の時間を」
「”見つめ続けてきた地の精霊よ”」
「見つめ続けてきた地の精霊よ」
「”その力の一端を 現せ”」
「その力の一端を…現せ」

「”ストーン”」
「ストーン」

コロ コロ…

手から足元へと数個の石コロが転がりおちた。
「え、これだけぇ…?」
ガルカの子供は残念そうに石ころを拾って見つめた。
「それでも上出来だよ」
(無から有がでてくるってだけでも驚いてほしいんだけどなぁ…なんて)
「でもでも、黒魔道士が使ってる魔法はもっと、ずがーん!ってすごいじゃん!」
「それは…うーん、経験もあるけど”敵意”を持った魔法だからなんだよ」
「敵意?」
ああ、難しくしてしまったかななんて今更言ったことを訂正したくとも無理で。
子供の目は純粋な好奇心でキラキラと輝いている。
「つまりさ、戦闘中の黒魔道士は、あいつを焼き尽くす、あいつを凍りつかせる…って、相手を傷つけようとするじゃない?
その攻撃的な意思で、同じ魔法でもより威力が増すし、見た目も派手になる…かなぁ」
「ふうーん・・・」
これだけの説明じゃあ納得できないのも無理ないだろうと、分かっていても。
あまり学術的なことは正直使ってる自分もわかってないんだから情けないものである。

「私はいま君に対して敵意を持ってない、こんな状態で君に魔法を唱えたらどうなると思う?」
「え……!?」
ガルカの子供は驚いて立ち上がった。どうせならやってみせるほうがわかってくれるだろう…ふふ…
「”雷の精霊よ、悪しき物共への天罰を…”」
「ちょちょちょっとまって!?」
「”サンダー”!」



「目をあけてごらん」

私の頭上でふわふわと紫色の発光体が浮遊する。
「これ……」
「行き場のない雷の精霊、いま私が呼び出したやつね」
「……すげぇ……」
「これももうじき消えちゃう。黒魔道士は精霊を維持するのは苦手だからね
ね、これでわかった?君のやった魔法と同じで目標を持たないと………あれ」
「どうしたの?お姉さん?」
「その石、さっき君が出した石、まだ残ってる」
「う…?うん。これ土産にもってかえってもいいかな、友達に自慢してやるんだ」
「じゃなくて、普通ほんの数秒で消えるのに、ほら、私の雷だってもう消えかかってる」

まさかこんなことが?10歳程度の子供が、私の力を多少送り込んだからって土の精霊をこんなにも維持することができるなんてあるだろうか。

ガルカの子供はわけがわからないと言うように、私の顔と石とを交互に見ている。

もしかしたら凄い才能を秘めた黒魔道士の卵だったりして…
いやでも、精霊を維持するのは本質的に黒魔道士の能力とは違っている。

…もしや…

「お姉さん、お姉さん?どうしたの?何かヤバイのこれ?」
「あ…ううん、ごめんごめん。
その石、多分そのうち消えちゃうと思うけど、危ないものじゃないから持って帰って大丈夫だよ」
「やった!じゃあさっそく友達に見せてくる!消えないうちにね!」
ガルカの子は満面の笑みで噴水前広場から走りだした。

「あ、そうそう君!」
「うん?」
「もし、将来冒険者になるのならね、腕をつんだらラテーヌ高原の虹を見にいってごらん!」
「? ……よくわかんないけど、わかった!じゃあね、面白いもの見せてくれてサンキュー!」


珍しい、魔道の力に興味をもったガルカの子。
ひょっとしたら数年後、彼は精霊達と心通わせる事ができるかもしれない。
ただ敵意を持ち、精霊を操る私とは違う魔道士に。

「過激派の召喚院のジイ共がこれを知ったらどんな顔をするか…」
ちょっと乾いてしまったサーモンサンドの残りをかじりながら、私はそう、1人呟く。

「タマネギを抜き忘れたのか?」
「っ…」
つい1人の世界にはいってしまい気づかなかったが、いつのまにか待ち合わせをしていた仲間の1人が隣にいたらしい。
「入ってしまうものはね、しょうがないんだよ」
「あの子供のこと言ってるのか?」
「盗み見とは。まぁこれはこれは…」
分かりづらくいったつもりが伝わってたか。ニヤリ、と笑って石垣から飛び降りる。
もう付き合って3.4年になるか。ヒュームの召喚士のイヴンは「たまたまだよ」と笑いかけた。
「行こうか」
「だな」
南グスタベルクへ抜ける道を合流した仲間と共に歩く。
バストゥークは今日も、その独特の乾いた風と日差しをあびて、力強く冒険者を迎えていた。


オワリ


**********
黒魔術‥技術や知識、そして何よりもターゲットを傷付けるという言わば残酷な意思で精霊を「利用」する。その力が現実に干渉するのはごくわずかな時間。

召還術‥気合で精霊との「同調」により、術者のキャパシティに合わせてより長い時間精霊を維持する事ができる。

なーんて思ってたりします。召還士はLv4ぐらいなので(おいおい)激しく適当ですが
つまり、こういうわけなので、シャントットさんがアレなのはしょうがない事なんです。
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